爪の形は遺伝?こんなにもある爪の誤解
- お爪のお悩み

爪は、本当に多くの誤解であふれています。
中には都市伝説のような俗説も多くあり、それを大真面目に信じている方も驚くほど多く、時には学校の先生が子供たちに今もなお間違った爪の知識で指導している事も残念ながらあります。
本日は多くの方が勘違いしている爪の誤解をお伝えしていきます。
目次
こんなにもある爪の誤解
あなたも誤解していないでしょうか?
子供の頃に聞いたような話から、そうだったの?と言う物まで。
是非ご覧ください。
マニキュアをすると爪が呼吸出来ない
「マニキュアをすると爪が呼吸出来ない。だからネイルは爪に良くない。」
こちら聞いた事がある方も多いのはないでしょうか。
比較的年配の女性からよく聞くキーワードな印象です。
ずばり、爪は呼吸していません。
呼吸をする器官ではありません。
爪は、爪母と呼ばれる部分で生成されますが、その正体は皮膚の表皮が角質化し、それが更に固く角化した物ですので、いわば角質、つまり死細胞です。
呼吸はおろか、切っても痛みがない事からわかる通り、血も神経も通っていませんよね。
「だけど、マニキュアを塗ると、苦しい感じがするのはなぜ?」

その理由は、爪には水分を蒸発させるための微細な穴が開いているため、それを塞いでしまう事で閉塞感(突っ張るような感覚)を感じる場合があります。
ですが、その穴からの水分蒸発量は本当に微細で元々ほんのわずかであり、仮に蒸発する水分量が減ったからと言って害になる事はありませんし、逆に爪は水分量がなくなる事によって欠けやすくなったり縦筋の原因になる事もありますので、水分が保てる方が良いと言う考え方もあります。
他にも、爪は「しなり」を持つ物なので、塗布したマニキュアやジェルネイルが硬化する際に多少収縮する事で爪表面が引っ張っぱられるように感じたり、また普段よりも厚みを増した事で、何も塗っていなかった時とは違うしなり方になる事に違和感を感じる場合もあります。
ただこれらは大半が一時的な感覚であり、ある程度の期間ネイルを続けていると、その感覚に慣れて違和感を感じなくなる方がほとんどです。
「爪が呼吸出来なくなるからマニキュアなんてやめなさい!」という𠮟り方は、間違いなのです。
生きている爪と死んでいる爪
怪我などで爪が黒く変色してしまったり、爪が剥がれてしまったりと、何かしら爪にトラブルが起きてしまった時、「爪が死んでしまったのではないか」と不安になる方がいます。
深爪専門店をやっていると「この爪って生きてますか?死んでますか?」と心配そうに質問された事もあります。
こちらについては、書き方が少し難しいですが、とりあえず言える事は、
前項でも書いた通り、爪は死細胞なので、言い方によってはそもそもみんな元から死んでいます。

繰り返しになりますが、爪は皮膚の表皮が角質化し、それが更に固く角化した物であり、血も神経も通っていない角質の一種です。
お客様の言う「死んでいるか?生きているのか?」の質問も、答え方によっては死細胞なので、目に見えている部分は一度損傷したら二度と修復される物ではなく、その部分はどうやっても治る事はありません。
爪にダメージが加わった場合、根元から新たに伸びるのを待ち、その損傷部分を排出する他ないと言う事です。
(爪の損傷ではなく爪床に血豆などが出た場合などは、排出を待たずとも時間の経過と共に自然に消える事はあります。)
では、このあと正常な状態の爪がきちんと生えてくるのか?を知りたいと考えるかと思うのですが、それは爪が生成される爪母細胞が正常に機能しているかどうかなので、例えお医者様であっても皮膚の中に埋まっている部分ですので目で見てわかる物ではなく、伸びる経過を観察してみる他ありません。
ですが仮に正常に伸びてこない場合にも、例えば爪甲下角質増殖症など、爪床が原因の場合などは適切なケアをしてあげる事で正常に生えるようになる事もありますし、分厚くなってしまう肥厚なども適切なケアをしてあげる事で正常に生えるようになったりと、よっぽどな大怪我をしないかぎり爪母自体は生きている事がほとんどです。

「何その爪!死んでるんじゃない?」などと、周りの人から言われた安易な言葉をきっかけに不安になり悩んでしまう方も多いのですが、必要以上に心配する必要はない事が多くあります。
ただし、噛み癖などの強い外部刺激が日常的に繰り返されると、側爪郭萎縮や爪床萎縮と言って、爪母は元気でも伸びるフィールドが正常でなくなってしまうと綺麗な爪が生えなくなってしまう事もあるので、どんな症状であれ手遅れになる前の対応が重要だと言えます。
爪は白い部分だけが伸びている
こちらは意外にも、大真面目にこう思っている方も多いのです。
確かに爪を伸ばすと白い部分が増えますので、白い部分だけが成長しているようにも見えますが、他のコラムにも書いているとおり、爪はピンクの部分も白い部分も含め、爪の根元の皮膚の中にある爪母細胞から発生している一枚のプレートです。
爪は本来無色透明で、爪床と密着している部分は水分を含むため地面の血色が透けてピンクに見え、爪床から離れた部分は水分がなくなるため乾燥し白く見えています。
サインペンで爪の根元に印を付けると、日に日に指先へ移動し、いつか爪先の白い部分に届いたら爪切りでカット出来ると言う事ですね。
「爪のピンクの部分を大きくしたいのに、白い部分しか伸びない」と悩んでいる方は、つまり爪床と密着している部分を増やすには?と考えれば、解決法にたどり付く事が出来ます。

こちらの記事も併せてご覧ください。
爪の白い部分だけが伸びてしまう理由
爪切りの際は爪の白い部分全てを切るべき
こちらについて、学生の頃に校則などがあった方もいるのではないでしょうか?
また、飲食店で働かれている方や、医療や介護の現場では未だにそう言われている事もあります。
確かに、例えば指圧マッサージ師さんやエステティシャンの方など、指あたりの感覚でお客様に触れる職業の方は、白い部分はない方が肌当たりは良いのは事実です。
ですが、生物学的には、爪の白い部分を全て取り除いてしまうのはNG行為なのです。
なぜなら、爪の白い部分とピンクの部分の境い目には、爪の中に細菌が入り込まないように守るための爪下皮(ハイポニキウム)と呼ばれる重要な役割のパーツがあるからです。

不覚にも深爪になってしまった時に爪先がヒリヒリした感覚になるのは、そのハイポニキウムが除去されてしまったために爪が危険を察知しているからです。
場合によっては出血を伴い、万一そこに細菌が入り込んだりすれば炎症反応が起き、化膿に繋がる事もあります。
仕事柄、清潔が求められるので短く切らなければいけないというお仕事の方もいる事と思いますが、確かに伸ばし過ぎは不衛生ですが白い部分が2mm程度であれば、石鹸を使い良く手を洗えば充分に清潔を保てます。
ハイポニキウムには異物や細菌が入り込んだ際に、自らそれを排出する自浄作用の能力も備わっているため、仮に一時的に石鹸でも取り除けない着色汚れ等があった場合も時間の経過とともに必ず排出もされます。
ただこのハイポニキウムには、その存在が全て取り除かれてしまった場合、ピンクの部分を後退させてでもそのスペースを確保し再生する素晴らしい危機回避能力を備えているため、多くの場合翌日には微少でありながらも白い部分は出現し、
それを多くの方は「一日でまたこんなに白い部分が伸びた」と思うのですが、それは爪が伸びたのではなく「下がって現れた」と表現するのが正解とも言えます。
(実際伸びてもいますが爪の成長は一日で平均約0.1mmです。)
それが嫌だと言う場合、毎朝毎朝、起きるたびに爪切りを用意してこの戦いを繰り広げる事となり、本人が気付かないうちにどんどん爪のピンクの部分が小さくなっていくのです。

「指に力を込める仕事だから、爪を短く切らなければいけない」という方もいるかもしれません。
ですが本来爪は、指先に力を込めるために存在していて、爪があるから指先まで器用に使って細かい作業も行う事ができ、深爪になってしまってはそれが出来ないので、そういう意味でも爪を短くし過ぎてはいけないのです。
また、このハイポニキウムを慢性的に排除し続けてしまうと、爪だけでなく指先のバリア機能も失われてしまい指先や側爪郭(爪の両側の皮膚の部分)の極端に乾燥させてしまう事がわかっており、指先に亀裂(ひびわれ)を生じたりします。
清潔のためにと短くしたのに、そのせいで慢性的にガサガサになってしまった指の方が、そのガサガサに入り込む細菌は洗ってもなかなか除去されず、逆に不衛生にもなりかねます。
日本皮膚科学会のホームページにもこの事が書かれていますので、是非ご覧ください。
噛み癖やいじり癖が原因で深爪の方は、そのせいで皮むけが慢性化し、それにより余計にハイポニキウムが正常に回復しない状態となってしまい、それが見た目にもまた噛みたくなってしまうという悪循環に陥ります。
医療や介護の現場で、患者さんや利用者さんを傷付けてしまうかもと短くしなければならないお仕事の方も最低でも1mm、出来れば2mmを確保してあげてください。
先端が鋭利になり心配な方は、スポンジ形状の爪やすりを用いる事でだいぶ軽減されます。
以上、読んで頂くとわかる通り「白い部分は全部を切りなさい」は本当に間違った情報です。
今もそんな先生や上司の方がいる場合には、是非このコラムを読むようにお伝えください。
爪の根元に半月がないと不健康
子供の頃に聞いたりした方も多いのではないでしょうか?
これは全くの俗説です。
爪の根元の半月は、爪が作られる爪母と呼ばれる細胞部分が爪の下に透けて見えているものであり、水分を多く含むため白っぽく見えています。
後爪郭部(爪の根元にある皮膚)の前縁が前方にあれば半月は消失して見え、後方にあれば爪半月は大きく見えます。
つまりこれは生まれもった人それぞれの指の長さや形の違いによって見え方が変わる物であり、一見半月部分がないように見えたとしても、爪がある=爪母は必ず存在しますので、隠れて見えていないだけであり、ない人はいないです。

ただし、たしかに半月が大きく見える人は爪母が大きい可能性はありますので健康とも言え、例えば今まで大きく見えていた半月が極端に小さくなってしまった場合には健康上の心配をしてみても良いかもしれませんが、半月は代謝の減少や加齢でも徐々に小さくなることもあります。
ですが半月が見えていなくても、爪が美しく丈夫で健康な方はたくさんいます。
この事から、一概に「ないから不健康」と言うのは間違いと言う事になります。
爪がすぐ欠ける私はカルシウム不足
こちらも結構勘違いをしている方が多くいらっしゃいます。
爪は硬いからか、歯や骨と同様にカルシウムから出来ていると想像しがちですが、その主成分は皮膚や髪の毛と同じタンパク質の一種であるケラチンが主になっています。
ケラチンには軟ケラチンと硬ケラチンがあり、爪が皮膚よりも硬いのは、軟ケラチンからなる皮膚とは違い、爪は硬ケラチンで作られているためです。
爪は肌(表皮)の一部が変化したものです。
肌も爪も、元は同じタンパク質から生成されます。
このことから、肌の状態によって爪の状態も変わると言う事が分かりますね。
ただし、全体の0.1~0.2%程度と微量ですが爪にカルシウムも含まれているため、カルシウム不足になると爪が割れやすくなるとも言われています。
タンパク質をメインに、バランスの良い食事が大切という事ですね。

ただし、「私はたんぱく質しっかり摂っているのに爪が弱い」と言う方もいたりと、実はただ食べるだけでOKなのではなく、一緒にアミノ酸が存在しないとタンパク合成が行われなかったり、また逆にそれを阻害させてしまう食品を日常的に多く摂っていたり、
かつ、そのせっかく摂った栄養が爪に行き届くかは血流やリンパの流れ(むくみ)、代謝も重要となるため、爪を強くするには総合面で健康を意識する必要もあります。
爪の形は遺伝なので変えられない
こちらが今回、多くの方が知りたい情報かと思います。
人間の身体には、皆両親から受け継ぐ遺伝がたしかにあり、爪も遺伝するパーツの一部と言われています。
ですが、生まれたばかりの赤ちゃんが、皆お腹の中でしっかり爪を伸ばした状態で生まれ、それが不思議な事に、ほぼ大半の赤ちゃんが最初は誰もが縦長爪であるという事をご存じでしょうか?
ママのお腹の中で羊水に包まれ、優しく握っていただけのお手ては、みんな美爪なのです。
不思議ですよね。

ですがその後、手でおもちゃを持つようになり、ハイハイが出来るようになり、小さなお手てで頑張って物を持ったり運んだり器用に使えるようになると、比較的お子さんは皆小さくて平たい子供らしい可愛い爪になります。
一生懸命に手を使うからです。
そして、成長と共に大人っぽい爪へと変化する方もいれば、そのまま子供っぽい爪、扇形や丸爪など、あまり好きとは言えない見た目に成長する方もいます。
ですがここで、大人になって丸爪や平爪に悩む方の中には、本人が自覚していないところで筆圧が高い方や、握力が強い方が多く見受けられます。
これは見方を変えると、「爪の形」が遺伝なのではなく、手や指の長さや形、骨付きや肉付きからなる握力等が遺伝し、それが故の日常での手の使い方が、今のあなたの爪の形を作っているとも言えます。
加えて、前項で爪は皮膚が変化した物と書きましたが、肌質にも遺伝はかなりあるため、それにより爪の質(厚みや固さ)には遺伝が影響するのは事実です。
驚く方もいるかもしれませんが、指先の使い方・力の抜き方を意識し、肌環境を整えると爪の形は変わります。
元々そうなりやすい指を持っているのは否めないですが、今の爪の形は、日々の指先の使い方・爪への力のかけ方と、肌環境の影響なのです。
爪のピンクの部分を大きくするのに必要なハイポニキウムの成長には、肌環境がかなり影響しますので、羊水の中では温かく保てていた爪や肌の水分も外の環境では皆それぞれとなり、それにより爪質も薄いと縦長には育ちにくくなります。

ただし、それらは長年かけて培ってきたものですので、ちょっと意識を変えただけですぐに変化する物ではなく、爪の力を抜く事と肌環境を整える事に加えて、
爪を保護して最適な厚み・長さ・形も維持し、日常的に爪にかかる負荷を変える事でピンクの部分がより早く大きくする事が可能になります。
この複数条件を自分で揃えるのは正直なかなか難しく、かなりの時間がかかってしまう方が多いので、プロに依頼する事が最短な道であると言えます。
どのくらいの長さで整えて、また形の整え方ひとつでも、ピンクの部分は伸びやすくなるのです。これはなかなか自分では出来ませんよね。
爪のピンクの伸ばし方についてもっと詳しく知り合い方はこちらの記事もご覧ください。
爪のピンクの5つの伸ばし方と真の深爪改善策3選
手の使い方を変え、肌環境を整え、爪にかかる負荷を変えてあげると、本当に爪の形は変わってきます。
事実、私達リプロネイルでは、深爪専門店として5万人の爪の形を変えてきました。






もちろん生まれ持った指の長さは人によって違うので、CMに出てくるようなハンドモデルさんのような手にはなれなくても、結論として爪の形は絶対に変えられるのです。
あなたも「遺伝だから」と諦めていませんか?
番外編 爪に関するウワサ
爪に白斑が出来るとラッキーまたはアンラッキー、金運が舞い込む兆し、はたまた死期が近いなど、子供の頃に聞いた事がある方はいませんか?
爪の白斑は、栄養不足や内臓の不調、ストレスや睡眠不足など、健康状態で現れる事もありますが、ちょっとぶつけた際に出来てしまう事や原因不明の場合も多く、過度に心配する必要はないと言われています。
とりあえずは、白斑が1つ出来たくらいでは死期は近くないはずですので、安心してください。笑
ラッキージンクスと思うのであればハッピーですが、それと同時に健康的な生活が出来ているか見直してみましょう。

まとめ
いかがでしたか?
爪の誤解は意外にもあふれています。
爪の正しい知識があれば、爪の形も変える事が出来ます。
爪でお悩みの方は是非お近くのリプロネイル専門店にご相談下さい。
